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上田悠理の気になるアノ人に会ってきた┃エルピクセル・島原佑基氏

Health 2.0 Asia – Japan統括ディレクターの上田悠理です。少しご無沙汰になってしまいましたが、「ゆーりが気になるあの人に会ってきた」第2弾公開です。
第2回目の今回は、東京大学発ベンチャー創業者兼CEO、“Forbes 30 Under 30 Asia(2017)”Healthcare & Science部門のTopに選ばれるなど、きら星の如く活躍されているエルピクセルの島原佑基さんのところにお邪魔しました!
 ■目次

   
 

画像診断領域で活躍、デキる若手起業家・島原佑基さん

元々の出会いは経産省主導のプロジェクトでご一緒させて頂いたことだったので、実はもう知り合い歴1年以上な我々。当時から既に脳動脈瘤の検出AIのアルゴリズムを開発していらっしゃって、「頭一つ抜けている」感のあるスタートアップだったことを覚えています。

英語でのプレゼンテーションも堂に入っており、落ち着いた方だなぁと思っていたら、何と御年30歳!年下の男の子♪(古い!?)と知った時の衝撃ったら。久々にお会いしても、相変わらずの爽やかさです。真っ黒に日焼けされていて、最近はK-1にはまっているとのこと。スポーツまで嗜まれるなんて、王道ですね…。

エルピクセル株式会社 代表取締役 島原佑基氏
エルピクセル株式会社 代表取締役 島原佑基氏

さて、そんな島原さん率いるエルピクセル。CT、MRI、 病理画像などの医療画像を中心に、独自のAI(人工知能)アルゴリズムを研究開発されています。中でも強みとなっているのが、脳のMRI画像解析技術だそう。今では、脳動脈瘤の検出のみならず、脳血管狭窄、正常圧水頭症の診断支援や大脳白質病変についても開発中とのこと。(EIRLという研究開発プロジェクトが進行中!)

現在では、画像診断支援AIアルゴリズムとして、国内のPACSベンダーと網羅的なパートナーシップを組み、医療機関に導入を進めており、まさにプラットフォームを構築されています。
   
   

JAPAN発、グローバルを見据えた展開―勝てる舞台で戦う

東京大学アントレプレナープラザ

東京大学アントレプレナープラザにオフィスを構えるエルピクセルさん。なんと全30部屋の内、5部屋を占められているそうで、現在社員総数は約50名!しかも、この内2~3割が外国籍という、国際色豊かな会社なのです。

勿論、そんな会社が見据える未来は日本のみに止まりません。現在は、EnvoyAIという、放射線画像系AIのプラットフォームを使用し、海外での販路拡大を目指されています。しかも、そのポジショニングが秀逸なんです。

特にUSでの放射線画像系AIは、胸部X線、胸部CT、マンモグラフィーが多いそうで、当然、教師データの精度も高く、従ってAI精度も高いため、この舞台で戦うのは難しい、と島原さんは分析。他方、日本では「脳ドッグ」という言葉が一般的なように、頭部MRIの撮影数、診断精度が高い。(対人口MRI保有率もぶっちぎりですしね)。すなわち、良質な教師データをもとに高い精度のアルゴリズム開発ができるのだそうです。「勝てる舞台で戦う」。当たり前に皆が目指すところですが、実現が難しいですよね…。
   
   

その言葉を待っていた!!「UI/UX」が今後のキーワード

さてもう一つ。島原さんに今後の方向性、野望を聞いてみました。淀みなく返ってきたのが以下の返答。

「良質な診断技術を医療現場にいち早く届けること。そのために、どうしたら医療現場や医師のUI/UX向上に繋がるか、に注力している。」

User Interface/User Experience。そうなんです、その言葉がヘルステック系スタートアップから出るのを待っていました!!いかにUXを向上させるか。これは、特に予防医療系のサービスには欠かすことのできない要素だと考えています。

ところが、実はここに注力しているサービスって案外少ないんです。データは取っているし、エビデンスも作っている。そして、とても良いソリューション(=それを使えば予防効果がある優れたサービスである)のは確かですが、ユーザーをEngagementするに足りない。つまり、一瞬使ってみても使い続けるに至らない。結果、あまりにもよく聞く、「人は、予防にお金を払わない」になるわけです。

エルピクセルさんは、そういったものとは趣旨が異なりますが、ワガママな(笑)ドクターたちが使い続ける(=Engageする)サービスであろうと努力している姿勢が、とても共感でき、とても嬉しく思ってしまいました。

さて、今回は「エルピクセルの島原佑基さんに会ってきた」をお届けしました。次回も気になるアノ人とのおしゃべりから、最近のトレンドを考えていけたら良いなと思います。次回も是非、お付き合いくださいませ!
   
    
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上田 悠理Yuuri Ueda

医師/メドピア株式会社 Health 2.0 Asia – Japan 統括ディレクター

早稲田大学法学部を卒業後、岡山大学医学部に編入し医師免許を取得。形成外科・訪問診療医として、在宅高齢者の褥瘡管理に携わる。臨床を継続する傍ら、2017年4月よりメドピアが主催するHealth 2.0 Asia – Japan統括ディレクターに就任。臨床現場で感じるニーズと、テクノロジーで可能なこととの間に大きな隔たりを感じており、この壁を破壊するべく、ヘルステック領域のカンファレンスHealth 2.0 Asia – Japanの統括を中心に活動している。
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